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3.2 壁体の遮音機構

3.2.1 単層壁の音響透過損失の周波数特性

壁を音が透過することは、入射する音波により壁が微小な強制振動を起こし、この振動が壁の反対面の空気を励振しその側に音を発生させる現象である。単層壁の場合、壁の周波数により共振領域、質量則領域、コインシデンス領域に分けられる。

共振領域質量則領域コインシデンス領域

3.2.2 コインシデンス効果

質量則は壁が一様にピストン運動をすると仮定して導かれた。しかし平面板は屈曲運動を伴うので、TLが質量則の値より低下する原因となる。

3.2.3 二重(多重)壁の音響透過損失

高い遮音性能を要求される場合、単層壁では密度、重量、壁厚が非常に大きくなる。そして、壁厚を2倍にしても単層壁の透過損失は6dBしか大きくならず、厚さを大きくすればコインシデンス効果がさらに危険に働く。したがって、現実に用いることは不可能なこともある。この様な時、2重以上の多重壁を用いることがある。


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