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3.1 空気音と固体音

屋外や隣室から壁等を透過して室内に伝えられる騒音により、室内の快適性が損なわれ、騒音公害としてよく問題となる。室外の騒音源から室に伝えられる音には空気音と固体音がある。前者は外部空気の音エネルギーにより壁体に微少な振動が起こり、その壁体の振動が二次音源となって室内に音を放射する現象であり、後者は直接、機器の振動や衝撃などが壁、床、梁などから室内に音が放射される現象である。空気音に関する遮音は、エネルギー解析により導かれる一般式によりその対策を考えることができるが、固体音に対しては建物躯体を伝播する音(振動)の音速が速く、伝播中に減衰しにくいにもかかわらず、一般的な解析は困難で、躯体に振動を伝えないための防振対策が重要である。代表的な固体音である床衝撃音の評価には、出力一定の衝撃源による直下の室の衝撃音レベル測定値による実用的な評価方法が取られている。


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