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2.1吸音機構の分類

各種の吸音材料や吸音構造は、それらの吸音機構によって図2.01のように基本的な3種類に分類される。

1)多孔質型吸音
グラスウール、岩綿やカポックなど鉱物・植物繊維のように毛細管や連続気泡をもつ材料に音が入射すると、音波はその細孔中で、周壁との摩擦や粘性抵抗および材料小繊維の振動などによって、音のエネルギの一部が熱エネルギとして消費される。その吸音特性は一般に低音域で小さく高音域で大きい。

2)板(膜)振動型吸音
薄いベニヤ板やカンバスのような気密な材料に音が当たると、板振動や膜振動をし、音のエネルギの一部はその内部摩擦によって消費される。その吸音特性は低音域の共振周波数で山を作が、吸音率は一般にそれほど大きくない。

3)共鳴器型吸音
空洞に孔があいた形の共鳴器に音が当たると、共鳴周波数の近くで孔の部分の空気が激しく振動し、周辺との摩擦熱として消費される。それで吸音特性は、その共鳴周波数で非常に大きな値になる。

現実に建築材料・構造として用いられているものの吸音は、上記の3種およびその組合せと考えることができる。


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