2.1.3共鳴器型吸音

ヘルツホルムの共鳴器と呼ばれる機構と同じで、空気の質量と弾性体としての性質による振動系の共鳴による吸音機構である。音波の波長に比べて寸法が小さく、頸部をもつ壷状の空洞に音波が頸部から入射すると、容積の小さな空気は圧縮されにくいため頸部の空気は一体の質量として、また空洞は弾性体として作用をする。有孔板やスリットが剛壁と間隔をあけて施工されているとき、孔1つ、スリット1本当たりの空洞体積を考えれば、同様の作用をする。

            (2.03)

V:孔1個(あるいはスリット1m)当たり空洞体積 [m3] S:孔1個(スリット1m)の開口面積 [m2] l:頸部長さ [m] l':同補正項 [m]

共鳴周波数f0はこれにより
            (2.04)

L:空気層厚 [m] P:有孔板開口率

空洞容積(空気層厚)および頸部長が増すにつれて、f0は低くなる。しかし極端に背後空気層が大きいと、弾性体として作用をしなくなる。空気層を多孔性材で充てんすれば、ピークの吸音率は大となる。開口率が30%以上になる場合には、空気層内の材料の特性がほとんどそのまま現れる。


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