【レポート】
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【第19回 ICタワー工事見学】
今回の建築散歩は、いつもとは趣が異なり、(仮称)アイランドシティタワー(以下ICタワー)の工事現場の見学に参加しましたのでレポートします。
このマンションは、世界初3棟連結の免震+制震超高層マンションで、地下1階・地上42階、様々な最新技術が盛り込まれている建物です。特に37階・26階・15階・3階で3棟を繋いでいるスカイガーデンが特徴的で、遠くから見てもとても目立つ建物になっています。
1つの建物にこれほど最新技術を取り込んだ建物は少ないので、今回のレポートはマンションを買おうと思っている人や買いたいと思っている人には参考?にしてください。
12月5日、この日はとても寒い日でしたが、天気は悪くありません。この程度雲があったほうが、写真を撮るにはいいかもしれません。
3棟連結が特徴的なICタワー外観
まず、販売中のマンションですので、販売ギャラリーで一通りの説明を受けます。販売用ビデオを見た後、モデルルームの見学を行いましたが、その詳細は建築散歩の趣旨とは少しずれますので割愛します。
その後、このマンションで使用されている最新の構造や免震(揺れを伝えないシステム)・制震(揺れのエネルギーを減少させるシステム)装置の模型や実物を見ながらの説明がありました。最近の建物ではかなり一般的になってきましたが、高層の建物になればなるほど地震や風による揺れに対策が必要になりますので、免震・制震のシステムは重要なポイントです。
実物をカットした免震装置 積層したゴムと鋼板
説明が終わり、工事現場に移動します。すでに3棟のタワーはほぼ立ち上がっていますが、37階のスカイガーデンはまだありません。26階のスカイガーデンで組み立てられ、2008年2月にジャッキアップされるそうです。
現場に近づくにつれて、その大きさに圧倒されます。ずっと見上げていたので、首が痛くなりました。
見上げるとタワークレーン
面白いのは、3つのタワークレーンそれぞれに名前がついているところです。
このタワークレーンの足下には「モスラ」の文字が
現場に入る前に、現場事務所で構造システムについてさらに詳細な説明がありました。構造設計の苦労話や現場の裏話みたいな話もありましたが、実物を見たくてうずうずしていました。
ようやく現場に入ります。まずは上層階に工事用エレベーターで上ります。さすがに超高層だけあって眺めはとても良く、隣の「アイランド花どんたく」跡のアイランド中央公園(伊東豊雄の「ぐりんぐりん」があります)や隣のマンション、奥には海の中道や博多湾などを一望できます。
「ぐりんぐりん」が見渡せます 隣の大きなマンションも小さい!
このマンションの上層階は鉄骨造、それも無垢の丸鋼を使っているのでとても細く、建物の角の展望があまり阻害されないので、とても開放感があります。
角に壁がなく開放感があります 無垢の丸鋼による細い柱
次にスカイガーデンに移ります。下を見るとかなり高い位置にあるので怖いですが、スカイガーデンの中はかなり広く、あまり高い場所にあることを感じさせません。特に高層部にすむ人には欠かせない空間になるでしょう。
広々としたスカイガーデン スカイガーデンの床下
スカイガーデンと建物の接合部を見上げる
15階のスカイガーデンからは階段で地下まで下ります。地下は数種類の免震・制震装置が設置されています。前記した積層ゴムの免震装置だけではなく、制震ダンパーや鉄鋼の弾性(バネの原理)を利用した制震装置などは実際に設置しているものを見ることはなかなか無いのでとても興味深い見学会でした。
積層ゴム免震装置
制震ダンパー 鋼製制震装置
なお、ICタワーの近くには「アイランド花どんたく」の際に設置された公衆トイレ(これも伊東豊雄)がいくつかあります。とりあえずこの辺ではトイレに困らないと思います。
見た目も薄くて軽い公衆トイレ
ICタワーの周りにも住宅地など徐々に整備されていますが、まだまだ人気が少なく、少し寂しい雰囲気です。環境はとても良いので、ICタワーが竣工したら、人で賑わう元気な街になってほしいと思います。
(080215 つつみ)
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