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第02回 磯崎新in北九州】

 第2回目の「九州周遊建築散歩」は、第1回目とは趣を変え、現代建築にターゲットを当ててみました。
 九州(大分)出身の磯崎新の作品は九州、特に北九州に多く、北九州市立美術館(戸畑)や北九州市中央図書館(小倉)は磯崎新の代表的な建物です。
 今回は美術の鑑賞も兼ねて見学に行きたいと思います。散歩のつもりで気楽に参加してみませんか?

(ポスターより抜粋:ポスターはこちらから


 

 7月12日、第2回目の「九州周遊建築散歩」も第1回目と同様に雨が振ったり止んだりする天気。お陰でこの後予定していたバーベQは中止になりました。

 さて、今回は北九大の留学生を招待したので12人、車3台での見学になりました。まず向かったのは建築家磯崎新の代表作、北九州市立美術館です。この双眼鏡のような形をしている美術館は戸畑の小高い丘の上に立っているので、かなり目立つ存在です。ここでは当日開催されていた「聖母子と子供たち展」を学芸員の方に解説していただきながら、建物の鑑賞も行いました。


北九州市美術館のエントランス前

 外観のデザインは個性的というか、好き嫌いがありそうな建物ですが、中に入ると上質で落ち着いた空間が広がっています。特に内装で使われている素材の質感や導線を考慮した空間の見せ方は、さすが日本を代表する建築家の作品だと思わせるものがあります。


エントランス奥の回り階段       建物内部から見た景色

 また、収蔵品の増加に伴い、本館と同じく磯崎新の設計によりアネックスが増築されています。アネックスは版画展示室と市民ギャラリー として使用されていますが、本館とアネックスを繋ぐ回廊の途中にある「アトリウム」と呼ばれている前庭的な空間は、この美術館をより印象深いものにしています。


水庭と柱が印象的なアトリウム      アネックス内の版画展示場

 美術館をゆっくり見学していたため、かなり時間が押してしまいました。ということで急いで次の目的地、北九州市立中央図書館のある小倉に向かいました。近くには小倉城をはじめ北九州市庁舎、リバーウォーク、松本清張美術館など注目の建物が点在しています。

 このヴォールトをU字に曲げた独特の形状を持つ図書館は、先ほどまで見てた美術館と印象がまったく異なっています。特にこのエントランスから見えるツタが張ったヴォールトの丸い先端は見た人に強い印象を与えますが、回りの緑にはうまく溶け込んでいます。


 図書館エントランス前で記念撮影

 内部から天井を見上げると、ヴォールトを構成しているプレキャストのコンクリートパネルが良く見えます。その姿はゴシックの教会のようでもあり、図書館独特の静寂と相まって落ち着いた印象を与えています。

 でも、幸か不幸か当日雨が降っていたために、建築家の作品でよく言われいる雨漏りの問題も目撃することが出来ました・・・


ヴォールトが表しになっている天井            印象的な柱と梁

 駆け足での図書館見学になりましたが、この時点で閉館時間の5時になってしまいました。時間が差し迫っていた人もいましたので、この後予定していた伊良原邸はパス、西日本総合展示場と北九州国際会議場を車の中から見学して、今回の建築散歩は終わりました。

(つつみ)


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