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【番外2 東田散策】
番外編2回目の「九州周遊建築散歩」は、八幡東区の東田地区を散策しました。
ここ八幡東田は近代製鉄発祥の地であり、かつては、工業の街として栄えましたが、現在は広大な土地に、ミュージアム・テーマパーク・ショッピングモールなどが集まりつつある地域です。
今回のメインは、最近出来た北九州イノベーションギャラリーだったのですが・・・
今回も、2月上旬にもかかわらず天気も良く、散歩日和です。さっそく、平成19年4月に竣工と、まだ出来たてほやほやの北九州イノベーションギャラリーに向かいます。
実はこの建物、存在は知っていたもののどこにあるのか分からず、今回ようやく見ることが出来ました。というのも、東田にあるとは聞いていたものの、近くの3号線からはあまり見えず、周囲にある建物に最近用事がなかったのでどこに行って良いのか分からなかったのです。
・・・ということで、期待して建物に向かいます。
都市高速手前のイノベーションギャラリーと高炉跡
この建物は、斜めの格子状の鉄骨で編んだ鳥かごのような独特な形をしています。その透明なファサードになっているので、建物の外からも中の様子が良くうかがえます。思った以上にこぢんまりとした作品で、親しみが持てます。
黒と白のコントラストが美しい 中の様子が手に取るように分かる
格子状に組み合わされたH鋼 中庭(正面奥はカフェ)
スタイリッシュな内観
しかし、ここで少し言いたいことがあります(関係者の方申し訳ございません)。
デザインに関することはともかく、中途半端な図書館や展示スペースは使いにくいと思います。蔵書数も雑誌数も近隣大学の図書館で十分まかなえる程度だし、展示スペースなら近くに北九州市立旧百三十銀行ギャラリーもあるし、なんだか取って付けた様な用途でしかありません。
それよりも、一番印象が悪かったのが、企画展示室でTOTOが行っていた「水のちからとかたち展」でした。はっきりいって、500円出す必要が全く感じられません(小倉の本社に行けば十分です)。諸事情があったのでしょうが、これでは来館者数がほとんどいなくても仕方ありません。
・・・と色々思うところがあったので、気を取り直してこんどは隣の東田第一高炉跡と北九州市立旧百三十銀行ギャラリーを見ることにしました。
高炉後は「1901」の看板からも分かるように、アジアの産業革命を支えた新日鐵八幡製鉄所の記念碑ですが、今あるのは1962年に火入れされた第10次改修高炉です。ここも日頃から人影が見られず、見学に行っても他の人にあったことがありません。
外は立派ですが・・・ 中はガラガラ
旧百三十銀行ギャラリーは、辰野金吾が設計したと言われている元銀行の支店を、現在はNPOが管理運営しています。とても小さく、それほど良い建物とは思いませんが、きれいに改修されています。ここでは「北九州をめぐるアート展」が開催されており、有名な作家の作品や修復作業のビデオ上映など、小さいながらそこそこ楽しめる展示でした。(ちなみに無料でした。)
旧百三十銀行ギャラリー正面
改修された玄関 補強の鉄骨が表し
でもまだ、なんだかもの足りません。
そこで今度は近くにあるいのちのたび博物館を見ることにしました。他にも環境ミュージアムなどいくつかの施設がありますが、イノベーションギャラリー同様あまり期待できません。ここなら、期待して全く問題ありません。
いのちのたび博物館正面 恐竜が出迎えてくれる
・・・やはり期待通りでした。
もう何度もきていますが、ここは展示物の質量とも十分で、半日程度ならすぐ時間が経ってしまいます。これだけ楽しめて入場料500円!はっきり言って安すぎます。ここは、子供からお年寄りまで楽しめる北九州の観光スポットとして一押しだと思います。まあ、建築散歩でも既に見学を行っていますので、皆さんはよくご存じだと思います。
恐竜の大行進
最後に、東田にある施設はその展示品の質に違いがありすぎるので、個々に入場料を取るシステムでは成り立たない施設が出てくると思います。そこで私からの提案ですが、1000円程度でどの施設もフリーパスというシステムはいかがでしょうか。
いのちの旅博物館は1000円で十分もとが取れる展示内容だし、フリーパスにすることによって今よりも他の施設にも入りやすくなると思います。フリーパスにより人件費削減も可能ですし、いのちのたび博物館だけを目当てに来た人が流れて、間違いなく動員客数が倍増するのに・・・と思いつつ今回の建築散歩は終了しました。
(080407 つつみ)
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