作業環境騒音
新設する作業場の場合は、その計画段階において作業環境騒音について十分検討しなければならない。まず導入する機械が十分な騒音対策がなされているかを調べる。もし、問題となる騒音が発生するようであれば、その作業方法、室内の吸音処理、機械制御室の遮音などについて検討する。現実には、既成の作業場が問題となっていて、その騒音対策を考えることが多い。また、実際の騒音対策は、経費、作業性等から技術的な十分な対策を早急に行うことは不可能なことが多く、耳栓の使用、作業時間の短縮、作業方法の変更など管理的な対策が併せて行われる。
労働安全衛生規則関係法令等においては事業場における作業環境,作業方法,休憩室,食堂等についての安全衛生に関する基準を定めているが,これらの規定は、労働者の危険又は健康障害を防止するため事業者が最低講ずべき措置を定めたものである。
一方,快適な職場環境の形成への取組は,事業者の自主的な努力により、進めていくべきものである。その際、事業者は労働安全衛生法令等に定める措置を講じたうえで,快適職場指針の定めにより、労働者が疲労やストレスを感じることの少ない、快適な職場環境を形成していくことが重要であるとしている。
事務所,設計室等の一般的な室内の騒音評価をする場合は、騒音評価法、NC曲線による室内騒音の評価等を参照されたい。
騒音の許容基準(日本産業衛生学会)
中心周波数 (Hz) | 各暴露時間に対する許容オクターブバンドレベル(dB)
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480分 | 240分 | 120分 | 60分 | 40分 | 30分
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250 | 98 | 102 | 108 | 118 | 120 | 120
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500 | 92 | 95 | 99 | 105 | 112 | 117
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1000 | 86 | 88 | 91 | 95 | 99 | 103
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2000 | 83 | 84 | 85 | 88 | 90 | 92
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3000 | 82 | 83 | 84 | 86 | 88 | 90
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4000 | 82 | 83 | 85 | 87 | 89 | 91
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8000 | 87 | 89 | 92 | 97 | 101 | 105
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作業環境測定結果の評価
| B測定
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85dB未満 | 85〜90dB | 90dB以上
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A平均特性 | 85dB未満 | 第J管理区分 | K | L
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85〜90dB | K | K | L
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90dB以上 | L | L | L
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事業者は、作業環境測定結果の評価結果に基づき、管理区分ごとに、次の措置を講じる。
第J管理区分に区分された場所については、当該場所における作業環境の継続的維持に努める。
第K管理区分に区分された場所については、当該場所を標識によって明示する等の措置を講ずる。施設、設備、作業工程又は作業方法の点検を行い、その結果に基づき、作業環境を改善するため必要な措置を講じ、当該場所の管理区分が第J管理区分となるよう努める。また、騒音作業に従事する労働者に対し、必要に応じ、防音保護具を使用させる。
第L管理区分に区分された場所については、当該場所を標識によって明示する等の措置を講じる。施設、設備、作業工程又は作業方法の点検を行い、その結果に基づき、作業環境を改善するため必要な措置を講じ、当該場所の管理区分が第J管理区分又は第K管理区分となるようにすること。なお、作業環境を改善するための措置を講じたときは、その効果を確認するため、当該場所について作業環境測定を行い、その結果の評価を行うこと。
騒音作業に従事する労働者に防音保護具を使用させるとともに、防音保護具の使用について、作業中の労働者の見やすい場所に掲示すること。
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