\(\LaTeX\)は，テキストベースの組版処理システムであり，俗に\(\TeX\)(テックス，テフ)などと呼ばれ，主に研究者の間で広く親しまれているフリーウェアである。文章の作り方がワードとは全く異なるので，初めて使う人にとってはとっつきにくいソフトウェアであるが，ワードと異なり美しい数式表現が可能な論文を書く上では必須のソフトウェアであり，カスタマイズ性が高くプログラミング的思考が非常に良く身に付くので，私の研究室では原則として\(\LaTeX\)で文章を書くこととしている。
なお，藤田は授業のスライドも学会発表のスライドも構造計算書もすべて\(\LaTeX\)で作成している。
\(\LaTeX\)のインストーラは次のサイトからダウンロードできる。 https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/~abenori/soft/abtexinst.html
以下，2018年10月時点におけるインストールの手順を簡単に説明する。
\(\LaTeX\)本体のインストールが完了したら，次にエディタをインストールする。別に何のエディタを使用しても構わないが，初学者にも使いやすいエディタとして，TeXstudioというフリーウェアがあるので，そちらをインストールしてみる。
Texstudioは次のサイトからダウンロードできる。 https://www.texstudio.org/#download
以下，2018年10月時点におけるインストールの手順を簡単に説明する。
以上で初期設定は完了である(最後に現在の設定を保存するのを忘れずに)。TeXstudio上でソースコードを作成してF5を押せばpdfが出力される。TeXstudioの詳しい使い方はネットに山ほど載っているのでそちらを参考にされたい。
\(\LaTeX\)のインストーラは次のサイトからダウンロードできる。 https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/~abenori/soft/abtexinst.html
以下，2018年10月時点におけるインストールの手順を簡単に説明する。
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\(\TeX\)インストーラーのダウンロードサイトにアクセスし，zipファイルをダウンロードする。
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ダウンロードしたzipファイルを展開し，abtexinst.exeを実行する。
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ウェブインストーラなので，インターネットから\(\TeX\)データをダウンロードするところから始まる。最初の方はデフォルトの設定のまま進んで行けばOK。
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\(\TeX\)データのダウンロードには数十分かかるので，気長に待つ。
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\(\TeX\)データのダウンロードが終わると，Ghostscriptのインストールが始まる。基本的にはデフォルトの設定のまま進めばよいが，インストールする場所はCドライブ直下にした方が無難。
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Ghostscriptのインストールが終わると，dvioutのインストールへ移行するので，そのままOK。
-
以上で\(\LaTeX\)のインストールは終了。再起動が必要。
\(\LaTeX\)本体のインストールが完了したら，次にエディタをインストールする。別に何のエディタを使用しても構わないが，初学者にも使いやすいエディタとして，TeXstudioというフリーウェアがあるので，そちらをインストールしてみる。
Texstudioは次のサイトからダウンロードできる。 https://www.texstudio.org/#download
以下，2018年10月時点におけるインストールの手順を簡単に説明する。
-
Texstudioのダウンロードサイトにアクセスし，インストーラーをダウンロードする。
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ダウンロードしたexeファイルをダブルクリックし，インストールを開始する。デフォルトの設定のまま進めばOK。
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デフォルトの設定のままでは，日本語の出力が文字化けしてしまう。日本語のファイルはplatexでコンパイルする必要があるので，以下の手順で設定を変更する。まず，オプションタブからTeXstudioの設定を開く。
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LaTeXの欄をuplatex -interaction=nonstopmode %.texに変更する。
BibTeXの欄をupbibtex.exe %に変更する。
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ビルド環境をDVI->PDFチェーンに，コンパイラをLaTeXに変更する。
以上で初期設定は完了である(最後に現在の設定を保存するのを忘れずに)。TeXstudio上でソースコードを作成してF5を押せばpdfが出力される。TeXstudioの詳しい使い方はネットに山ほど載っているのでそちらを参考にされたい。
itemize/enumerate/descriptionなどの箇条書き環境において，インデントの大きさや改行幅を指定するには，
を利用すると良い。
例えば，次のような箇条書きがあったとする。
このTEXコードの出力は
のようになる。
ここで，箇条書きの左端をオフセットさせたい場合は次のようにすると良い。
左端を2cmオフセットさせた状態で箇条書きを出力することができる。
逆に，右端をオフセットして紙面幅より短い位置で折り返すには，
のようにすれば，以下のような出力が得られる。
そのほかにも，\setlengthの部分で次のように余白調整が可能となっている。
\setlength[オプション]{数値}
例えば，次のような箇条書きがあったとする。
\begin{itemize}
\item 同じパラメータで最適化計算を100回繰り返したが，すべて同じ最適解に収束した。
\item 許容応力及び支持力に対する制約を満たしつつ，継杭の上杭と下杭で同じ径の断面が選択された。
\item 軸力の異なる6本の杭は，いずれのケースにおいても全て同じ断面，杭長が選択された。
\item 軸力が支配的なケース1は杭長9m，ケース1よりも軸力の小さいケース2では杭長7mが選択された。
\end{itemize}
のようになる。
ここで，箇条書きの左端をオフセットさせたい場合は次のようにすると良い。
\begin{itemize}\setlength{\leftskip}{2.0cm}
\item 同じパラメータで最適化計算を100回繰り返したが，すべて同じ最適解に収束した。
\item 許容応力及び支持力に対する制約を満たしつつ，継杭の上杭と下杭で同じ径の断面が選択された。
\item 軸力の異なる6本の杭は，いずれのケースにおいても全て同じ断面，杭長が選択された。
\item 軸力が支配的なケース1は杭長9m，ケース1よりも軸力の小さいケース2では杭長7mが選択された。
\end{itemize}
逆に，右端をオフセットして紙面幅より短い位置で折り返すには，
\begin{itemize}\setlength{\rightskip}{2.0cm}
\item 同じパラメータで最適化計算を100回繰り返したが，すべて同じ最適解に収束した。
\item 許容応力及び支持力に対する制約を満たしつつ，継杭の上杭と下杭で同じ径の断面が選択された。
\item 軸力の異なる6本の杭は，いずれのケースにおいても全て同じ断面，杭長が選択された。
\item 軸力が支配的なケース1は杭長9m，ケース1よりも軸力の小さいケース2では杭長7mが選択された。
\end{itemize}
そのほかにも，\setlengthの部分で次のように余白調整が可能となっている。
\setlength{\itemsep}{数値} %ブロック間の余白
\setlength{\parskip}{数値} %段落間の余白
\setlength{\labelsep}{数値} %\itemと文字の間
図にテキストを回り込ませたい場合には，
を利用すると良い。
次のように使用する。
positionには図の位置としてr(テキストの右)，l(テキストの左)，i(twosideの綴る側)，o(twosideの綴る反対(外)側)のいずれかを指定，overhangには本文から図がはみ出す幅を指定する。
例えば次のようなソースの場合は右寄せの図となる。
tabular環境とoverhangを組み合わせることで，図にテキストを近づけることができる。
上記ソースの出力は以下となる。
\usepackage{wrapfig}
次のように使用する。
\begin{wrapfigure}{position}[overhang]{width}
\centering
\includegraphics[width=1.0\textwidth]{test.pdf}
\caption{図のタイトル}
\end{wrapfigure}
\documentclass[10pt,a4paper]{article}
\usepackage[dvipdfmx]{graphicx}
\usepackage[left=3.00cm, right=3.00cm, top=2.00cm, bottom=2.00cm]{geometry}
\usepackage{wrapfig}
\begin{document}
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
\begin{wrapfigure}{r}[0zw]{0.25\hsize}
\centering
\includegraphics[width=1\hsize]{square.pdf}
\caption{テスト画像}
\end{wrapfigure}
いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
\begin{wrapfigure}{r}[3zw]{0.25\hsize}
\centering
\includegraphics[width=1\hsize]{square.pdf}
\caption{テスト画像}
\end{wrapfigure}
いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
\begin{wrapfigure}{r}[-3zw]{0.25\hsize}
\centering
\includegraphics[width=1\hsize]{square.pdf}
\caption{テスト画像}
\end{wrapfigure}
いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
\begin{wrapfigure}{r}[2.5mm]{0.25\hsize}
\centering\vspace{-1.25zw}
\begin{tabular}{@{\hskip-2.5mm}c}
\includegraphics[width=1\hsize]{square.pdf}\\[-3.75mm]
\parbox{10zw}{\caption{テスト画像}}\\[-3.75mm]
\end{tabular}
\end{wrapfigure}
いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
\end{document}
学位論文や書籍など，数百ページに及ぶ文章をTeXで書こうとすると，図が大量にある場合はコンパイルに膨大な時間がかかり，作業性が著しく低下する場合がある。
ここでは，なるべく効率よく文章を組版するために効果的な方法を3つ紹介する。
- ソースをメインファイルとサブファイルに分ける 長文の文章を1つの.texファイルで記述するのは得策ではない。メインファイルを1つ指定し，\include{hogehoge}のようにサブファイルを呼び出すようにすれば， サブファイルを章ごとに編集するなどすることでソースを整理でき，作業効率が格段に上がる。北九州市立大学卒業論文／修士論文／博士論文用共通スタイルファイル では，main.texというメインファイルから，intro.tex，ketsuron.texという2つのサブファイルを呼び出している。 特定の章のみをコンパイルしたいときは，メインファイル内の\include{hogehoge}のうち不要なサブファイルを%でコメントアウトすればよい。
- コンパイルしない部分を指定する 図が大量に貼り付けてあるなどでコンパイル上のボトルネックとなっている箇所が明らかで，当該部分をコンパイルする必要がない時は， \if0と\fiでコンパイル不要な部分を挟み込んであげればよい。こうすることで複数行をまとめてコメントアウト可能である。 例えば，以下のソース
- コンパイル時に図の挿入を省略する。 \documentclassにdraftオプションを指定すると，図のコンパイルを省略され，文章には図と同じサイズの空白が挿入される。 例えば，
\documentclass[10pt,a4paper]{article}
\usepackage[dvipdfmx]{graphicx}
\usepackage[left=3.00cm, right=3.00cm, top=2.00cm, bottom=2.00cm]{geometry}
\usepackage{wrapfig}
\begin{document}
これはテスト画像です。
\if0
\begin{figure}[h]
\centering
\includegraphics[width=1.0\textwidth]{test.pdf}
\caption{図のタイトル}
\end{figure}
\fi
これはテスト画像です。
\end{document}
\documentclass[10pt,a4paper,draft]{article}
\usepackage[dvipdfmx]{graphicx}
\usepackage[left=3.00cm, right=3.00cm, top=2.00cm, bottom=2.00cm]{geometry}
\usepackage{wrapfig}
\begin{document}
これはテスト画像です。
\begin{figure}[h]
\centering
\includegraphics[width=1.0\textwidth]{test.pdf}
\caption{図のタイトル}
\end{figure}
これはテスト画像です。
\end{document}
図と同じサイズの矩形が挿入される＝レイアウトが変わらない なので，文章の編集中はこのオプションを利用することで
レイアウトを確認しながらコンパイル時間にストレスを感じることなく組版を進めることができる。
EXCELアドインであるExcel2LaTeX.xlaを用いれば，EXCELの表を\(\LaTeX\)へ取り込むことができる。