北九州市立大学 藤田研究室

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 当研究室は,建築構造を専門とする研究室です。最先端のコンピュテーショナルデザイン技術を用いて構造最適化,構造形態創生に関する研究を行っている他,数理工学の世界で用いられる技術を建築分野に応用し,新たなアプローチによる建築構造解析技術の開発や,テンセグリティ,組積造アーチ,シェル・空間構造のように形態と構造性能に強い相関のある構造形式の数理モデルの構築と解析を行っています。
 また,得られた研究成果を独自のグラフィックユーザーインターフェース付きの数値解析プログラムとして随時社会に公開していくことを目指しています。
 指導教員の藤田は,自身が共同設立した構造設計事務所(株)DN-Archiにおいて,現役の構造設計者としても活動しています。大学で研究室を主宰している現役の構造設計者は全国でも稀で,特に地方では殆どいない存在であり,それが私の最大の価値であると思っています。研究成果がアカデミックな世界で完結してしまい,研究と実務との乖離が生まれないように,実務設計で得られる知見を研究室全体で共有し,研究成果にフィードバックすることを目指しています。

 当研究室は,世の中の構造系研究室がいわゆる実験系・解析系に二分されるとすれば,バリバリの後者です。それほど高度な知識を研究室入室段階から有しておく必要はありませんが,円滑に研究活動がはじめられるように,基礎教養科目のうち特に微分・積分,線形代数学についてはしっかりと身に付けておくことが前提です。しかし,逆に言えば,基礎教養さえ身に付いていれば,あとは構造力学I,IIの延長線上で学習を進めることが可能です。
 数学が得意なことに越したことはありませんが,それよりも大切なのは,建築そのものに対する知的好奇心と向学心です。構造設計者としての立場を前提とした場合,ただ単に構造に関する知識があるだけでは良い建築はつくれません。 建築家とのコミュニケーションの中で彼らのコンセプトや哲学を理解し,構造的な合理性,安全性,さらには経済性などの様々な制約を勘案した上で答えを導き出すことが重要です。構造に関する知識がある"だけ"の人材ではなく,建築分野全体に広い見識を持った人に育ってほしいという思いから,当研究室では,研究とは直接的には関連しない建築デザイン全体の行事や講演会への積極的な参加,調査研究の発表を促します。従って,いくら数学的能力が高くても,建築デザインそのものに興味を持てない学生には当研究室は不向きです。学生には,研究活動と並行して建築デザインそのものへの造詣を深めることを期待します。また,構造系のデザインコンペへの参加も推奨しており,豊富な資金援助を実施しています。
なお,大学院生については,学内外を問わず広く募集していますので,受験を希望する方はメールにてお問い合わせください。
Zoomによるオンライン研究室紹介も随時実施致します。
他大学からの大学院進学実績 : 有明工業高等専門学校,近畿大学,第一工業大学