RESEARCH
研究内容・所属研究室紹介
研究テーマ
- パリ協定のCO₂削減目標に貢献するセメントフリーコンクリートの開発
- フライアッシュの改質技術に関する研究
- 再生材料等を複合混合したコンクリートの諸特性に関する研究
- 低炭素社会実現へ向けた建築材料の性能考慮型環境影響評価
- 硬化コンクリートの試験・分析手法の標準化に関する研究
キーワード:再生骨材、コンクリート、改質フライアッシュ、浮遊選鉱、未利用資源、循環型住宅、煉瓦造、IT、建築マネジメント
高度経済成長期から蓄積された膨大な建設物のストックが、その寿命を迎えはじめており、今後、多大な建設廃材の排出が予想されています。廃棄物と捉えるのか、リサイクル材料として捉えるのかで今後の経済社会に大きな影響を与えます。循環型経済社会では後者として捉える必要があります。そこでこれらの廃棄物及び未利用資源をコンクリートの構成材料と位置づけ、コンクリートの高品質化を図る研究を実施しています。
企業メッセージ
◎改質フライアッシュの製造方法および改質フライアッシュスラリーコンクリートの特性
2011年3月11日の東日本大震災により発生した大量の震災がれきやその後の原子力発電の停止による火力発電の需要の高まりから生じる膨大なフライアッシュの処理が今後重要となります。震災がれきやフライアッシュをそのままコンクリートに混入しようとしても強度発現性および耐久性に問題が生じるため、これらの材料を使用するための技術開発が必要となります。当研究室では2009年度から科学技術振興機構(JST)のA-STEP・本格研究開発・起業挑戦タイプ「改質フライアッシュコンクリートの製造方法」(2012年度プロジェクトリーダー:高巣幸二)に取り組んでいます。ここでは低品質なフライアッシュの未燃カーボン除去による改質方法を確立し、ベンチャー企業「(株)石炭灰総合研究所」を起業しました。
◎再生材料コンクリートの高性能化
コンクリート塊の再処理工場で再生骨材Hの規格を満足する製品はほとんど生産されておらず、グレードの落ちる再生骨材M、再生骨材Lの生産が大半となっており、結果として路盤材として使用される再生骨材がほとんどです。そこで、低品質の再生骨材M、再生骨材Lをフライアッシュと共に使用して、構造体コンクリートを成すだけでなく、高強度、高耐久性を有するコンクリートの開発を目的としています。この結果、これまで廃棄物として扱われていた物を未利用資源として捉え、資源循環を促進させる効果が期待できます。