一次元音場の固有モード

4.1　閉管内の固有振動

ここでは、管が ｘ＝０と ｌx　において剛壁で閉じられている場合を考える。この空間の境界条件は、 ｘ＝０およびｘ＝ｌxにおいて粒子速度が０でなければならない。
速度ポテンシャル：Φ＝（Ａcosｋｘ＋Ｂsinｋｘ）ｅ^ｊωｔ

         Ａ＝（Ｃ1＋Ｃ2），　 Ｂ＝−ｊ（Ｃ1−Ｃ2）

であるから、この条件を満足させるためには、この式にｘ＝０を入れるとＢ＝０でなければならず、ｘ＝ｌx を入れるとsinｋｌx＝０でなければならない。ゆゆえに

ｋ_mｌx＝ｍπ　（ｍ＝０，１，２，３，．．）．．．．Ｂ

角周波数は固有の値をもち

この関係を満足する周波数は、

                  ωm：角周波数
　　　　　　ｃ　：波の速さ
　　　　　　ｍ　：波の腹の数

この周波数を、固有周波数(normal frequency)または規準周波数(natural frequency)といい、この固有振動のことを振動の基準形(normal mode of vibration)とよんでいる。
またこの周波数において管は共鳴するので、共鳴周波数ともいう。固有振動の場合、管長は、半波長の整数倍となる。

閉管内の粒子速度の分布は上式Ａ，Ｂ

の関係より、管長ｌxの時
となるから、分布は
で表され、m＝１〜3の時図の実線のようになる。

閉管内の音圧分布は、

      Ｐ：音圧　　ρ：媒質密度

Φ＝（Ａcosｋｘ＋Ｂsinｋｘ）ｅ^ｊωｔ によって、一次元モードの音圧の式が
となり、分布は、
で表されm＝１〜３の時、図の点線となる。

閉管内の固有振動における音圧や粒子速度は、位置によって決定でき、その波形が進行しないから、定在波　であることがわかる。

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