上述のように波動方程式を満たす速度ポテンシャルΦは前進波と後退波から成る複素関数である。しかし現実の世界で我々が観測する音波は、その実数部(あるいは虚数部)のみとみなすことができる。そこで前記のΦを時間項tで微分しその実部をとれば、pは次式のように表わされる。

なおC1'及びC2'はそれぞれC1、C2にωを乗じた定数である。
当然、このpも、また前進波、後退波のそれぞれも波動式
を満たしている。この前進波あるいは後退波のように、唯一つの周波数成分ωを含む一つの正弦波で表わされる音波を純音と呼ぶ。純音は波動方程式を満たす最も単純な音の構成要素と考えられる。またいくつかの純音の合成として得られるものを複合音と呼ぶ。 
なお時刻t、位置xにおける周波数fをもち、波動式
を満たす音波の音圧を以下のように書くこともある。。
A:振幅 [pa]
λ:波長 [m]
ω:角周波数(=2πf)[1/s]
k:波数(=ω/c=2π/λ)
なお上式右辺の負号は+x方向、正号はーx方向に進む音波を表わす。