副産物系粉体を外割大量混合したモルタルとコンクリートの強度性状に関する研究 卒論 
原田一輝(2011年) 

研究目的

コンクリート材料としての海砂の枯渇問題により、副産物系粉体を細骨材代替として使用する外割混合が注目されている。これらの副産物系粉体のさらなる普及及び利用促進のために、混和材の特性に関する実験データの蓄積が必要である。そこで、副産物系粉体を外割大量混合したモルタルとコンクリートの強度性状を実験室実験で比較検討した。

                      
                       表1. 使用材料 (クリックで画像拡大)
                   

                        表2. 調合表 (クリックで画像拡大)
               


研究結果

・初期材齢において、水和活性及びモルタル内の組織の緻密化により、混和材無混合のものより高い圧縮強度を示し、反応性を有するフライアッシュ及び高炉スラグ微粉末を混合した調合では、長期的にみても強度増進を続け、他の調合より高い圧縮強度を示した。

・フライアッシュ及び高炉スラグ微粉末に関しては、混入率10%から20%の間では特に顕著な強度寄与が確認できた。このような反応性を有する粉体を大量に外割混合することで圧縮強度を大きく増進できる。

・ERNの圧縮強度をNNNと比較した場合、低強度領域において両者は近い値を示し、中強度領域からERNの圧縮強度が徐々に低下し始め、高強度領域でERNの圧縮強度が大きく低下した。

・今回の実験において圧縮強度が低下し始めるのは60N/mm2付近 の中強度領域から強度停滞が認められ、近似曲線は顕著に折れ曲がることが明らかになった。

・すべての調合において乾燥収縮率は800μよりも低い値を示し、良好な結果が得られた。



          

            図1. 圧縮強度の経時変化               図2.圧縮強度と圧縮強度時ひずみの関係

         

           図3.再生材料コンクリートの強度特性           図4.乾燥収縮率の経時変化

                                                           


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