反応性骨材を使用した各種コンクリートのアルカリシリカ反応性状に関する研究 卒論 
西本智雄(2010年)

 

研究目的


本研究は、反応性骨材を使用したコンクリートの水セメント比、水酸化ナトリウム添加量を変化させ、相対動弾性係数の径時変化を求め、ASR性状を検討した(実験Ⅰ)。普通ポルトランドセメント、普通エコセメント、低熱ポルトランドセメントの3種類のセメントを使用し、水セメント比を変化させた時のASR特性を検討した(実験Ⅱ)。

 

研究結果


[実験Ⅰ]                 
                表1.調合表

  1. 水セメント比や水酸化ナトリウム量はASR性に影響を及ぼすと考えられるが、35-9.0(S)と35-9.0(B)より、両者が同程度の値を示すことから、水酸化ナトリウムの粒径の違いによるASR性状への影響は少ないと考えられる。

 

[実験Ⅱ]


    図1.水セメント比と静弾性係数比の関係      図2.水セメント比と相対動弾性係数の関係

  1. 低熱ポルトランドセメントは、相対動弾性係数が高い値を示したが、これは煮沸後にC2Sが水和反応を起こし圧縮強度が増加したと考えられる。そのため、本実験では低熱ポルトランドセメントがASR抑制に効果的であると言い難いとともに、低熱ポルトランドセメントをASR促進試験で評価するのは難しいと考えられる。

  2. 本実験では、水セメント比42%、65%で相対動弾性係数が最も下がる値が存在した。従ってASR特性を検討する際に、ある水セメント比において最もASR性状を示す水セメント比が存在する可能性があることが示された。




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