■目的 

SRB-DUP乾式煉瓦造住宅の施工手法,及び,納まり詳細の検討を行うこと.

 

■研究結果

1.組積手順
(1)割付図に従って煉瓦を設置する.
(2)割付図に従ってプレートを設置する.
(3)平座金,ばね座金を短いボルトに通し、仮止めを行う.
(4)組積体の端部などに設置された基準ナットを図面上の正確な位置に調整し,その後締め付ける.
(5)基準ナットをもとにみず糸を壁面に対して平行に張る.
(6)高ナットをみず糸を基準に直線上に並べて締付ける.
(7)高ナットに両切ボルトを設置する.

2.梁部分の組積手法
…SRB-DUP 工法は,梁部分の下に図9のような,六角ボルトの頭を埋めるための溝を設けてある支保工を設置して梁部分を組積する.

3.施工検査
…施工検査は次の3 つの項目で行う.
a壁の高さ,b最上段における水平レベルの標準偏差,cナットのずれ(鉛直精度).

4.開口部の納まり
…開口部の納まりは,煉瓦開口部に木下地を取り付け,アルミサッシを木下地にビスで打ち付けて設置する.また,SRB-DUP工法では開口部の上端,下端は締付ボルトがむき出しの状態になるので,木下地にはボルトを避けるための加工が必要である.

5.
煉瓦壁及び仕上げ材における納まり…内装の仕上げは,防水シート,下地材,断熱材,バーミキュライト建材の仕上げになる.ここでバーミキュライト建材は,化学物質を吸着し,吸放湿性に優れ,仕上げを兼務(クロス仕上げ不要)し,釘をそのまま打つことができる優れた建材である.煉瓦造は通気層を設けることができる工法なので,室内熱環境の向上が期待できる.

 


■本研究によって得られた知見


(1)SRB-DUP 工法では在来湿式煉瓦造とは違い鉛直精度,水平精度の管理が非常に重要なので,基礎のアンカーボルト設置やセルフレベリング,その後の組積段階では,遣り方の設置や,水糸を基準にしたボルト位置での鉛直精度管理など,SRB-DUP 工法独自の管理手法が必要である.

(2)SRB-DUP工法は従来の工法とは異なり煉瓦自体が構造体を形成しているので,煉瓦組積方法や二階床の受け方,壁・サッシの納まり,屋根トラス,壁体構成,内装ボードの施工などにおいて,大きな違いが存在する.

 

 

 

 

 

 

 

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