概要


 騒音計には近似的にラウドネスを示すための聴感補正回路が組み込まれている。この回路は、無指向性のマイクロホンにより音圧に比例した電圧を増幅し、聴覚に近似させる物で、騒音計の中に組み込まれる。

 聴感補正回路には、A・B・C・D 4種の周波数特性がある。しかし、近年おもに使われるのはA,C特性である。その他の周波数特性は、

B(現在、B特性は使用されていない)
D(航空機騒音評価のための基礎尺度)

ここでの紹介は、A,C特性の二つである。


                

dB A (LA) A特性は種々の騒音評価法のための基礎尺度である。


 騒音計のA聴感補正回路を通して読みとったレベルをA-Weighted Sound Pressure Levelと呼び、LAで示す。我が国では騒音レベル(単位dB)と呼んでいる。

 この特性は、Fletcher&Munsonの等ラウドネス曲線のうち、40phonの反転曲線に調整されていた。これがA特性の基本になっている。我が国でも、1977年には、JIS改正に伴い、指示騒音計から普通騒音計と名称が変更された。


                 

dB C (LC)  C特性を通して読み取ったレベルは音圧レベルの近似値を示す。


 騒音計のC聴感補正回路を通して読み取ったレベルを、C-Weighted Sound Pressure Levelと呼んでいる。

 C特性は当初、全周波数にわたって平坦な特性であった。アメリカにおける1944年の騒音計の規格、ならびに我が国の1952年のJIS規格でも特性は平坦であった。しかし、IECの騒音計規格によって、低周波および高周波帯域の一部で平坦から外れた部分がでてきた。我が国でも1977年のJIS改正では図に示す特性になり、周波数分析を伴う測定に用いられる。


UP DATE 3/13/1997
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Faculty of Architecture,Departmant of Engineering,Kumamoto University.
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