騒音計
 騒音を無指向性マイクロホンで、音圧を電気信号に変換し、聴感特性を補正する 周波数補正回路(聴感補正回路)を通し、その値をデシベル目盛りのメーターに表示するもの。
また、メーターには動特性と呼ばれるものがあり、騒音の変動特性に応じて、速い(Fast)特性と遅い(Slow)特性を使い分ける事ができるが、たいていの場合、Fastに セットする。

名称 普通騒音計 (JIS C 1502) 精密騒音計 (JIS C 1505)
使用目的 騒音公害に関連する騒音測定 機械の発生騒音表示、音響実験等の測定

              

普通騒音計[Sound Level Meters] 


1.適用範囲
 この規格は、音圧レベルや騒音レベルを測定する普通騒音計について、規定する。また、等価騒音レベルに又は単発騒音暴露レベルを求めるのに必要な機能を含む 普通騒音計についてもこの規格を適用する。

備考:
 騒音レベルはdB(デシベル)で表し、聴感補正回路の種類とあわせて表示する。
    例: 80dB(A) 90dB(B) 100dB(C)

3 定格
3.1 使用周波数範囲
 周波数範囲は、20Hz〜8000Hzとする。
3.2 使用温度範囲
 使用温湿度範囲は、温度ー10〜+50℃とする。
3.3 使用湿度範囲
 使用湿度範囲は、相対湿度90%以下とする。

4 性能
4.1 器差
 器差は標準音圧の基準音圧レベルに対して騒音レベルの測定範囲以内では、 1dB以下とする。
4.2 基準入射角のレスポンス
 A特性、C特性及び平坦特性の基準入射角のレスポンスは表に示す基準 レスポンスとする。

5 構造
5.1構造一般
 騒音計は取り扱いが容易で、温度、湿度、振動、電気的および磁気的影響を受けないような構造でなければならない。
5.2マイクロホン
 マイクロホンは、圧力型マイクロホンでなければならない。
5.4周波数補正回路(聴感補正回路)
 周波数補正回路は、A特性を備えることとする。また原則としてC特性又は平たん特性を備えることとする。
5.5実行値回路
 実行値回路は、速い動特性及び遅い動特性を備えることとする。また、速い動特性の時定数は125ms、遅い動特性の時定数は1sとする。

         

精密騒音計 [Precision Sound Level Meters]


1.適用範囲
 この規格は、音圧レベルや騒音レベルを測定する精密騒音計について、規定する。 また、等価騒音レベルに又は単発騒音暴露レベルを求めるのに必要な機能を含む 精密騒音計についてもこの規格を適用する。

3.定格
3.1使用周波数範囲
 周波数範囲は、20Hz〜12500Hzとする。
3.2使用温度範囲
 使用温湿度範囲は、温度-10〜+50℃とする。なお、使用温度範囲で基準状態の器差に対して0.5dBを越える影響を与えるときは、温度による器差の補正値を取扱説明書に記載する。
3.3使用湿度範囲
 使用湿度範囲は、相対湿度90%以下とする。なお、使用湿度範囲で基準状態の器差に対して0.5dBを越えない相対湿度範囲は、30〜90%とする。

5.構造
5.1構造一般
 騒音計は取り扱いが容易で、温度、湿度、振動、電気的および磁気的影響を受けないような構造でなければならない。
5.3レベルレンジ切換器
 切換によるレベルの間隔は、20以上重なり合うこととする。
5.4周波数補正回路(聴感補正回路)
 周波数補正回路は、A特性、C特性及び平たん特性を備えることとする。ただし、C特性又は平たん特性のうちいずれかを除いてもよい。
5.5実行値回路
 実行値回路は、速い動特性及び遅い動特性を備えることとする。なお、速い動特性はF又はFast,遅い動特性はS又はSlowと表示する。また、速い動特性の時定数は125ms、遅い動特性の時定数は1sとする。

           

積分騒音計


 正式名称は、積分・平均形騒音計。
等価騒音レベル、単発騒音暴露レベル等を演算する機能を備える騒音計であり、騒音計の中に組み込まれるものである。
普通騒音計・精密騒音計のどちらにも含まれるものと、そうでないものがある。


UP DATE 3/14/1997
yano@gpo.kumamoto-u.ac.jp
Faculty of Architecture,Departmant of Engineering,Kumamoto University.
Copyright (c) 1996 S.Nagatomo in Yano Laboratory.