3.5.5 床衝撃音の防止設計

重量Wkgの物体をバネ定数k(kg/cm)の弾性体に乗せると、その静的たわみσは
(3.50)
その振動系の固有周波数は抵抗を無視すれば、重量加速度をgとして
(3.51)
であり、式3.50の関係から
(3.52)
となって静的たわみσによって固有振動数fnが定まる。この関係は図3.20に示す。
防振設計の手段は
1)振動源の振動数Fを知って図3.19により、充分な減衰量を得るための
fnを定め、
2)それを実現するためのたわみ量σを図3.20で求める。
3)全重量Wを安全に支持して、しかも、たわみσを得るような防振材料を選定するということになる。
ここで注意するべきことは、図3.20の関係は防振材を完全弾性体と考えているので、金属スプリングにはそのまま用いられるが、ほかの材料では荷重とたわみの関係が直線でないため、図3.20の値よりいくらか割増をしておかねばならない。この割増率は表6.01に示す。
表5.01 各種防振材料の比較
| コイルバネ | 防振ゴム | コルク | フェルト |
静的たわみの制限 | 設計自由 | 最大厚さの10%まで | 厚さ(最大10cm)の6%まで | − |
静的たわみの割増率 | 1 | 1.1−1.6 | 1.8−5 | 9-17 |
有効な範囲F(Hz) | 5Hz以下 | 5Hz以上 | 40Hz以上 | 100Hz以上 |
許容荷重(kg/cm2) | 設計自由 | 2−6 | 2.5−4 | 0.2−1.5 |
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