3.5.3 床衝撃音レベルの評価(遮音等級)

空気音の遮音評価と同様に、床衝撃音の遮音評価もISO 717/2に下記のように規定されている。
1)図3.17の基準曲線をLn(LnまたはLn,0.5)の測定曲線に重ねて上下に移動し、基準曲線より測定値が上にはずれる値の平均が2.0dBを越えないような位置を求める。
2)その時の500Hzに対する基準曲線の値Lnw(またはL'nw)を'重み付き基準化衝撃音レベル'、そしてL'n,0.5,Wを'重み付き標準衝撃音レベル'とよぶ。
3)その時、基準曲線より上に8dB以上はずれる周波数があれば記録しておく。

ここでの問題点は標準衝撃音源が必ずしも適当でないということと、規格通りの測定は余りにも時間がかかり過ぎることであり、さらに、日本のみならず各国独自の測定法があって、国際統一は非常に困難のようである。


評価尺度と住宅における生活実感との対応の例

遮音等級床衝撃音
走回り、足音など椅子、物の落下音などその他の例
L-30ほとんど聞こえない全く聞こえない子供が大暴れしてもよい
L-35静かなとき聞こえるまず聞こえない多少とびはねてもよい
L-40遠くから聞こえる感じほとんど聞こえない気がねなく生活できる
L-45聞こえるが気にならないサンダル音は聞こえる少し気をつける
L-50ほとんど気にならないナイフなどは聞こえるやや注意して生活する
L-55少し気になるスリッパでも聞こえる注意すれば問題ない
L-60やや気になるはしを落とすと聞こえるお互いに我慢できる限度
L-65よく聞え気になる10円玉でも聞こえる子供がいれば文句がでる
L-70大変よく聞こえうるさい1円玉でも聞こえる子供がいても上が気になる
L-75大変うるさい同上注意していても文句がくる
L-80うるさくて我慢できない同上忍者的生活が必要
備考低音域の音、タイヤの値高音域の音、タッピングの値タイヤ、タッピングともに合格のとき

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