3.5.2 床衝撃音レベルの測定方法

(1)床衝撃音の実験室測定
図3.08に示した残響室の間の開口に試験体を取り付け、標準衝撃音を与えた時の受音質における空間的時間的平均音圧レベルLiを'床衝撃音レベル'とよぶ。さらに受音しつの吸音力Aを実測残響時間から求め、基準吸音力10mに対する基準化床衝撃音レベルLnを求める。

            (3.49)

この測定に当っての注意事項を列挙すると(ISO 140/6)
1)標準衝撃音としてはタッピングマシンを用いる。
2)試験体の大きさは10ー20mで、短辺は2.3m以上のこと。
3)タッピングマシンは少なくとも4位置で、梁やリブで不均一のときはさらに多くする必要がある。また、ハンマーの並びの方向は梁やリブと45°の方向をとり、床の端から、0.5m以上離れなければならない。
4)受音質での床衝撃音レベルは、多くのマイク位置での測定値を平均するか、連続移動マイクロホンを用いねばならない。これには精密騒音系の動特性'S'を用いることが推奨される。
5)音圧レベルの測定には1/3オクターブバンドフィルタを用いて、100ー3150Hz(100ー4000Hzが望ましい)の範囲を測定すべきである。

(2)床衝撃音の現場測定
現場で床衝撃音に対する建築の遮音性能を測定するには、'基準化床衝撃音レベル'式3.49のほか式3.35と同様に、受音室残響時間を0.5秒で基準化した’標準衝撃音レベル'を用いるが、現場では床以外の側壁などのフランキング径路があるため、それぞれL'nおよびL'n,0.5と表記する。
もし居住者に対する影響を評価するときは、この規定に反して'床衝撃音レベル'L'iそのものを基準化しないで用いるのが適当である。日本のJIS 1418はこの考え方で規定され、タッピングマシン(軽量衝撃音発生器)の他に、さらに子供の飛びはねを類似した重量衝撃音発生器をも規定している。


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