3.5.1 重量床衝撃音と軽量床衝撃音

固体音により引き起こされる騒音障害のうち、現在、最も多いのが床衝撃音である。これは上階の靴音、家具と床面とのきしみ、子供の飛び降りなどによる床の衝撃が下階に音を放射する現象である。
床衝撃音は標準の衝撃源による上階の床の衝撃により、室に発生した騒音の音圧レベルのオクターブバンド分析結果を評価規準に照合し、評価あるいは等級化する。標準っ衝撃源にはタッピングマシンと床上約0.9mより自由落下させる自動車用タイヤ(空気圧2×105Pa)がある。前者は軽量衝撃源とも呼ばれ、靴音等を模したものであり、後者は重量衝撃源と呼ばれ、子供の跳び降りなど柔らかく重量のある物体による衝撃源の典型とみられるものである。床構造の多くは、2種類の衝撃源に対して発生する騒音特性が異なる。特に木造床など軽量の床は、重量衝撃源に対する遮音性が劣り、改善はかなり困難である。RC構造の場合もスラブを厚くするなど重量物の衝撃を十分受け止める配慮が必要である。


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